それでは細野氏が離党した後の民進党はどうなっていくのか。結論から言えば、党の再生や支持率回復は極めて困難だろう。代表戦では、前原誠司衆院議員と枝野幸男衆院議員の一騎打ちになると言われているが、どちらが勝っても、液状化している民進党をまとめることは容易ではない。これは新代表の能力や資質の問題というより、民進党、特に旧民主系の体質に起因する。
3分裂すれば「元の木阿弥」か
考えられる方向性は、党の分裂だ。代表選を経て、これまで押さえられていた不満が一気に表面化し、前原氏を支持する右寄りのグループ、枝野氏を支持する左寄りのグループ、そして代表選への立候補が取り沙汰されているもののいまだに態度を明らかにしていな江田氏を中心とする旧維新系グループの大きく3つに分かれていくのではないか。分かりやすい枠組みに当てはめて表現するのであれば、旧日本新党系、旧社会党系、旧維新・結い(みんな)系の3つということである。しかし、これでは「元の木阿弥」だ。
数カ月先には民進党という名前はなくなっているかもしれない。野党勢力が小政党に分裂したとき、だれがキーパーソンになるのか。私の見立ては別稿で明らかにしていきたいが、少なくともその中心は細野氏ではないはずだ。
(写真=時事通信フォト)