安倍内閣の地盤沈下が止まらない。内閣支持率は「最低」を更新し続け、地方選挙でも負けが目立ち始めた。「安倍1強」と言われたのは既に過去の話。マスコミでは首相退陣のXデーまでささやかれ始めている。安倍氏は8月の内閣改造で危機突破を図ろうとしているが――。

7月以降の「月曜日の朝刊」の一面

安倍晋三首相は最近、月曜日の朝は「新聞が届かなければいいのに」と思っているかもしれない。

7月に入ってからの「月曜日の朝刊」を読み返してみよう。3日は、主要紙が全て都議選での自民党の歴史的惨敗を報じた。

10日は「安倍内閣支持 最低33%」(朝日新聞)、「内閣支持続落36%」(読売新聞)、17日は「内閣支持率 最低の35%」(東京新聞)だった。24日は毎日新聞が「内閣支持続落26%」と報じ、毎日も含め全紙が、仙台市長選で自民党が推す新人が野党系候補に敗れたニュースを大きく扱っている。

任期満了に伴う仙台市長選挙で勝利し、万歳する郡和子氏(中央)ら=7月23日、仙台市青葉区(写真=時事通信フォト)

仙台市長選では、民進党衆院議員だった郡和子氏が自民党の地元支部らが支援した菅原裕典氏らに競り勝った。郡氏が16万5452票、菅原氏が14万8993票。

郡氏は、地元テレビ局でアナウンサーをしており知名度はある。しかし過去2回の衆院選では仙台市の1部が選挙区の宮城1区で自民党候補に連敗。辛くも比例復活している人物だ。普通なら市長選では自民党側が余裕の勝利を飾るところだ。接戦とはいえ、星を落としたことは、安倍自民党の退潮をくっきりと印象づけた。菅義偉官房長官は24日の記者会見で「自民党としては残念な結果だった」と語っている。

選挙は原則として日曜日に行われる。報道各社の世論調査も、週末に行って日曜日に集計することが多い。政治のトレンドを示す選挙と世論調査は必然的に月曜日の朝刊に集中するのだが、今は安倍首相や自民党にとって「不都合な真実」が、そこに凝縮されることになる。まさに「魔の月曜日」なのである。