では、今後はどうするつもりなのか。小池知事が事実上率いる都民ファーストの会との連携も話題に上っているが、端的に言って、細野氏と都民ファーストとの連携は当面ないだろう。
「新党今はひとり」とでも名乗るしかない
まず、小池知事が都政そっちのけで軽々に動くようなことはない。都議選で圧勝し、数は確保したが、新人議員ばかりで足元をしっかり固められたとはまだまだ言えない状況にある。そうした中で軽々に国政へ本腰を入れるようなことをすれば、都政がぐらつくとともに、都政をないがしろにする知事として厳しい批判にさらされる。なんといっても、都民ファーストは小池知事の人気と風で成り立っている、ある種バブルのようなものだ。
結局、細野氏は当面、単独で行動するしかないだろう。党という制約がなくなり、連携先はどこでもありだ。細野氏は細野氏なりに目星をつけているのかもしれない。それがあっての「政権交代可能な政党」ということになれば、与野党を巻き込んだ大規模な政界再編が念頭にあるのかもしれない。
しかし、繰り返すように自身の派閥である自誓会からの同調者はゼロ。つまるところ細野氏の希望的観測ばかりが先行して、実態が伴っていないということなのではないか。そうなると、細野氏は単独行動どころか完全に独りぼっち。かつての山本太郎参院議員にならって「新党今はひとり」とでも名乗るしかない。
筆者には、2009年1月に自民党を離党した時の渡辺喜美参院議員と重なるようにみえる。それでも当時の渡辺氏には数人とはいえ同調者がいた。これでいつまでたっても細野氏への同調者があらわれないということなれば、本当に悲惨である。