プレッシャーに負けない成功イメージとは
イチロー選手本人によると、バッターボックスでの一連の動作は「自分のペースに持ち込むための時間」だという。バッターが構えるまでピッチャーは投げられない。イチロー選手は、自分がバットを構えるまでの時間を自分で決めるためのタイミングを、一連の行動でつくりあげているのだ。
どんなにストレスやプレッシャーを感じるときでも、「これをやる」という決まった動作があれば、自分の世界に入りやすくなる。心が落ちつき動悸(どうき)もおさまって、最高のパフォーマンスを発揮しやすくなるだろう。
大切なのは、自分が決めた動作に「最高の自分」のイメージを結び付けておくこと。これで集中力が高まるだけでなく、パフォーマンスが成功イメージと関連付けられ、自分をコントロールできるようになる。
次に、オリジナルの成功イメージを作る具体的な手順をみていこう。
自分らしく“最高の自分を生む動作”を作る方法
どんなしぐさでもいいので、自分が落ち着く特定の動作に「最高の出来」や「成功」のイメージを結びつける。これがいわゆるアンカリングとなる。
1.自分が落ち着く行動を決める
前にうまくいったときや、以前成功した時(仕事だけでなく、学生時代の勝ち試合などでも可)と同じ行動や、自分が落ち着くしぐさや行動を見つける。
例:
・バッターボックスには必ず右足から入る
・プレゼンの前には、必ず肩を強く持ち上げてストンと落とす
・大切な場面の前には、必ず甘いものを口にする。
・誰かに背中を強くたたいてもらう。
2.いつでもどこでもできるようにする
何度でも繰り返せて、どんな場面でもできることにする。毎回決まった行動で「うまくいく」と自分に暗示をかけられることが大切。
3.行動はできるだけハッキリしたものにする。
その行動は、あることの「開始」であることを、自分でしっかり認識できるものにする。
4.本番直前を思い浮かべ、行動を結びつける
行動が決まったら、本番の直前のタイミングに成功行動を結び付けるイメージをする。この動作で気持ちを落ち着かせ、ピークにもっていく。
本番前に頭の中で本番さながらのイメージを浮かべてなぞり、精神面を整えること。そして、ほんのちょっとした行動で、「さあ本番、うまくいく!」という気持ちの切り替えのきっかけを作ること。
ビジネスでも、こうしたちょっとしたことが、最高の自分を引き出す引き金となるものだ。