―堀江さんはソニーを買収し、今で言うスマートフォン的なものをつくりたかった、と著書で書かれていますね。
【堀江】だって、そのほうが面白いじゃん。僕は2004年頃、「常時接続でインターネットにつながった、携帯電話機よりも一回り大きいぐらいの端末が主流になる」と予言したけど、ソニーを買収するって話になった時点で、「とんでもない」ってみんなの思考が止まっちゃう。
でもね、僕は無理に人の考え方を変えたいと思わないほうなので、わかる奴だけ周りに集まればいいと思ってる。司法対策という意味で、事実無根の噂を流されたようなときは徹底的に説明するようになりましたが、「僕はこう思うけど、君はどう思ったっていいんだよ」という気持ちは変わらないです。
ずっと嫌われて上等という生き方をしてきましたが、「なんとなく格好いい」とかフワフワした好かれ方が気持ち悪いんです。本質がわかったうえで言ってくれるなら嬉しいんだけど。相手に要求するレベルの高さ、そこを僕は結局、妥協できないんでしょうね。
(宮内 健=インタビュー・構成 葛西亜理沙=撮影)