“会議”でいい質問をするための「メモの取り方」
今回取り上げたいのは、裁判員それぞれの真剣さと、傍聴席から見たときの裁判員の印象は別ということだ。
裁判員はちゃんと聞き、考え、決めるのが仕事だから、見た目の印象など問題にはならない。だが、これが会社の会議だったらどうだろうと思ってしまうのである。同じような真剣さで臨んでいるのに、周囲が受ける本人の印象が違うとすれば、悪い印象を持たれないほうが得に決まっているではないか。
では、裁判員の印象はどこで違ってくるのだろう。ポイントは以下の3点だ。
1:メモのとり方
2:質問の仕方
3:前のめりの姿勢
順に説明しよう。
▼なぜシロート裁判員は必ずメモを取るのか?
1:メモのとり方
裁判員にはあらかじめ資料が渡され、事件の概略や争点を知ることができる。また、検察や弁護人が、それぞれの主張を明確にするため配るものもある。加えて、被告人や証人の発言記録も読むことができる。しかし、裁判員は必ずと言っていいくらいメモを取りながら話を聞く。中にはほとんど前を見ずにノートとにらめっこ状態の人もいる。
メモをたくさん取るのは、頭の整理をするためでもあるだろうが、前を向かなくて済むといった理由もあると思われる。前を向けばいやおうなく被告人と向き合うことになるし、検察や弁護人、さらには傍聴人まで目に入る。
見ないということは、相手からも見られないということだ。
一方、会社の会議の場で下ばかり向いていたら消極的に見えるばかりか、存在感さえなくなってしまう。いくら熱心にメモを取ったところで、それが高く評価されることはないと考えていい。明らかに損だ。メモを取りつつ、顔も見せる。この2つを両立させることが重要だろう。
ちなみに、裁判官も必要に応じてメモすることがあるが、頻度も時間も圧倒的に少なく、被告人や証人をつぶさに見ている。うそをついていないか。本気で反省しているか。しゃべるときの表情や態度も重要な判断材料となるからだ。