見分け方【5】社員の平均年齢が30歳前後

もう1つの目安は社員の年齢だ。会社の歴史は比較的長いのに社員は若手がほとんどというのは要注意だ。

「社歴2、3年目の社員が多く、5~6年が古株で10年選手がいないような会社は、常に社員が入れ替わっている可能性が高い。いうまでもなく肉体的、精神的に持たないから辞めているのです」(同)

入社前後の飲み会でチェックしたいのがセクハラ・パワハラの横行度だ。上司が部下にひどい暴言を吐いても、周囲の誰もがたしなめずに傍観しているのはよくあるケースだ。

明石弁護士は「パワハラ因子を持ったいじめっ子体質の人は確実にいます。企業がセクハラ・パワハラを絶対に許さないという風土であれば、言動は抑制されますが、許容している風土であれば、職場ではセクハラやパワハラが横行している可能性もあります」と指摘する。

では何も気づかずにブラックな会社に入ってしまったらどうするか。明石弁護士は「今の世の中でホワイト企業に巡り合うこと自体が難しい。労働者の常識として自分の労働時間は自分で記録することだ」と言う。

「未払い残業代の請求は2年で時効になりますが、転職するなら未払い残業代を請求してもいい。現実に300万円超の残業代を受け取った人もいます。請求するには証拠が必要になりますが、今はGPSと連動した位置情報で出退勤を記録してくれる便利なスマホアプリもある。ほかにお勧めの方法は、日々の出退勤時に自分や家族宛てにメールを送ること。実際に奥さんに送ったメールが証拠となった事件もあります。どんな会社でも自分の身を守るためにも自分で労働時間を記録することが不可欠です」

長時間残業を強いられ、パワハラなどの仕打ちを受けたら即座に辞めて、未払い残業代を請求する。そんな強い姿勢が必要かもしれない。

弁護士 明石順平(あかし・じゅんぺい)
2010年弁護士登録。IT企業勤務を経て、2013年弁護士法人鳳法律事務所入所。ブラック企業被害対策弁護団メンバー。

 
(撮影=的野弘路 写真=PIXTA)
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