銘柄にもよるが、資金の4~6割を銀行からの借り入れで調達。マイナス金利政策導入で利子負担が軽減され、収益には追い風となる。全銘柄の含み益は合計で約1.5兆円(15年度下期)、保有する物件を売却して利益にすれば、増配も期待できる。REITは利益の90%超を配当金に回すことで法人税が免除されるため、内部留保されることもない。

REITは株式や債券とは値動きのスピードや大きさが異なると考えられ、それらと併せ持つことで資産全体の値動きを抑える効果も期待できる。基本的には金融資産の2割程度まで、金利低下で追い風が吹いている今なら3割程度までREITの比率を高めてもいいだろう。

その際、特性の異なる複数のタイプを組み合わせると分散効果が高まる。

まずは「現在の投資環境において高収益を期待できる銘柄」。海外からの旅行者が多いこの時期、ホテルに特化した銘柄などに投資妙味がある。

これに高齢者施設・医療施設系など、「投資環境に左右されにくい銘柄」を合わせれば攻めと守りの分散ができる。

六本木ヒルズを保有する「森ヒルズリート投資法人」(東証3234)など、有名な物件を組み込む銘柄を選び、大家さん気分を満喫するのもいい。

深野康彦

ファイナンシャルリサーチ代表。AFP、一級ファイナンシャルプランニング技能士。独立系FP会社などを経て、2006年ファイナンシャルリサーチ設立。近著に『ジュニアNISA入門』など。
 
(高橋晴美=構成)
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