試算!「何年間、年金受給を受ければ元が取れるか」

読者の中には公的年金の平均受給額の水準が年々減少していると聞くと、心中穏やかではいられない人も多いに違いない。現役世代の手取り収入に対する年金の給付水準の割合を「所得代替率」という。厚生労働省によると、サラリーマンの夫が平均賃金で40年間働き、妻が40年間専業主婦というモデル世帯の場合、所得代替率は62.7%と試算されている。

つまり、平成26(2014)年度時点で、65歳になる人の場合、現役収入の約6割強の年金を受給できるということだ。たった6割か。そう思うかもしれないが、これは多いのだ。

所得代替率は、以下のように推移(漸減)すると試算されている。これによると、現在40歳以下の世代が受け取ることのできる厚生年金額は、仮に、経済が順調に成長を続けたとしても現役時代の収入の半分程度、マイナス成長だと半分以下だ。

さらに、年金財政立て直しのため、加入期間や支給開始年齢の引上げの動きも徐々に現実味を帯びてきている。

現役世代にとって、自分たちがリタイアした際に、ちゃんと年金がもらえるのか? と不安に感じる人も多いだろう。そこで、ある試算をしてみた。

若い頃から60歳までに毎月支払ってきた年金保険料の合計と、65歳から受給できる年金額(累計額)とで、「何年間、受給を受ければ元が取れるか」を計算したものである。