もらえる年金はこれからどんどん減っていく
今年1月下旬、厚生労働省から平成29年度の年金額の発表があった。
平成29年度の年金額は、平成28年度に比べ0.1%値下げされ、国民年金(老齢基礎年金)は満額で6万4941円、厚生年金は、夫婦2人のモデルケースで22万1277円となっている。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」(平成28年度)によると、夫婦2人が老後生活を送る上で必要と考える「最低日常生活費」は平均22.0万円(月額)。「ゆとりある老後生活費」は平均34.9万円(月額)となっている。
これらと比較すると、「あまり余裕はないけど、夫婦2人なら公的年金だけで暮らせないことはないかな?」というレベルだろうか(実際には、生活費以外にもかかるお金は少なくないので、かなり厳しいと思うが……)。
変更は4月以降なので、実際に年金額が変わってくるのは6月15日振込分から。知らずに引き出した人は、ちょっぴり寂しい気持ちになるかもしれない。
一方の保険料は、平成16年改正によって、毎年段階的に引き上げられてきた。
平成29年度はその上限に達する年にあたり、平成29年度の国民年金の保険料は1万6490円(月額)、厚生年金の保険料率は平成29年9月以降18.3%で、それぞれこの水準で固定される。ただし、実際のところ、名目賃金の変動によって毎年度改定が行われ、平成30年度の国民年金保険料は1万6340円(平成29年度から150円の値下げ)となる見込みだ。
残念ながら、少子・超高齢社会の日本において「負担増」かつ「恩恵減」の傾向は今後も変わらないだろう。