バカ高家賃がパラサイトを生み、未婚率を上げるのか

今見たのは東京と鹿児島の例ですが、他の県はどうでしょう。同じやり方で計算した、県別・年齢層別の「家賃/年収」比率の一覧表をご覧いただきましょう。黄色マークは全県の最高値、青色マークは最低値です。上位5位の数値は赤字にしました。

マックスはどの年齢層も東京かと思いきや、25歳未満だけは京都が最も高くなっています。実に52.9%で半分を超えます。

京都は大学がたくさんあり、学生の単身世帯が多いためでしょう。しかしこの事実は、日本の下宿学生の生活がかなり苦しいことの証左です。収入(仕送り、奨学金、バイト代など)の半分以上が家賃に食われる。こういう社会が、他にあるでしょうか。

上位5位(赤字)の分布を見ると、借家世帯の「家賃/年収」比は、やはり都市部(東京、神奈川、大阪、京都など)で高いようです。地方で低いのは、収入は少ないけれど、家賃がそれを補って余りあるほど安いということ。家賃の他に、自動車の維持費などの経費もかかるでしょうが、生活のゆとりという点では地方に軍配が上がる気がします。

言わずもがな、住居の面積も広い。データは示しませんが、東京の富裕層よりも鹿児島の貧困層のほうが広い家に住んでいます。

しかしまあ、若年の借家世帯の「家賃/年収」比がメチャ高であることに驚きを禁じ得ません。都市部ではほぼ半分。収入が少ないためですが、これでは実家を出ることができずに親にパラサイトせざるを得ないだろうな、と思います。その結果、未婚化が進行すると山田昌弘さんは『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書、1999年)で書いています。

状況は、過去に比して悪化しているのではないでしょうか。90年代以降の不況により、若者の収入は下がる一方で、家賃が下がっているという話はほとんど聞きませんから。国際比較でみても、若年世帯が住居費負担にこれほど苦しんでいる社会は、おそらく日本だけでしょう。藤田孝典さんが『貧困世代』(講談社新書、2016年)で書いているように、日本の住宅支援政策(公営住宅整備、家賃補助など)が貧弱であることはよく知られています。

こういう要因により、若者の自立(離家)が阻まれ未婚化が進行してしまう。消費も低迷し、社会の維持・存続が脅かされる事態にもなっています。「住」は生活の基盤ですが、この面の支援を、若年層に重点を置いて行うべきでしょう。