煙が出ないので“家で焼肉”の頻度が上がる

実際に家でも購入してやきまるを試してみたが、煙はほとんど出なかった。我が家は一戸建てで、焼肉をするたびに火災報知器が複数鳴るので、真冬でも窓を全開にしなければならず、いくら焼肉が好きといっても楽しむことはできなかった。しかし、やきまるであれば煙が気にならず、翌日もニオイが残りにくい。そのため、焼肉の頻度が増えている。

ただ、家族4人でたくさん肉を焼き続けると、終盤ではどうしても煙が出てくるようになる。

「肉の焦げカスなどに脂が移って溜まってしまうと、それが煙の原因になります。もし煙が出てくるようなら、途中で汚れを取り除くことをおすすめします。途中でプレートをいったん外し、キッチンペーパーなどでサッと拭くだけで快適に使えます」(福士氏)

また、やきまるは3~4人の使用を想定しているというが、食べ盛りの子どもが2人いる我が家では、もう少し大きなサイズがほしいところ。福士氏によると、そのような声も届いているという。

「サイズを変更するとなると、バーナーの直径を変更したり、プレートとバーナーの距離を見直したり、1から全部作り変えなければいけません。端の方まで均等に焼けて、かつ煙が出にくいサイズとなると、今のところはこのサイズとカロリーがベストなのです。ただ、反響が大きく、そういった声もいただいておりますので、ゆくゆくは開発できればと考えています」(福士氏)

カセットコンロの売れ行きは堅調

イワタニのカセットコンロ全体の売れ行きを聞いてみたところ、「ずっと右肩上がりというわけではないものの、カセットコンロ全体で見ると、売上げは伸びており好調」だという。カセットコンロが見直されたきっかけは東日本大震災だった。今まで使ったことがないという若い人も、震災がきっかけで使うようになった人が増えているそうだ。

カセットガスは年配者が使うイメージがあるので、それを払拭するためにデザインにも力を入れている。「昔の無骨なものではなくて、洗練されたデザインのカセットコンロも増やしてきました。やきまるのような特化型の専用カセットコンロを増やしているのも、カセットコンロの間口を広げるためです」と福士氏は語る。

最近はデザインに力を入れた汎用カセットコンロを増やしている。イワタニで最薄の「達人スリムII」(左)、和風デザイン「雅 MIYABI」(右)
カセットボンベを使った商品としてはこんなものも。ボンベを2本使用し、外でバーベキューができる「グリルステーション」。コンパクトに折りたたみ、引っ張って持ち歩ける。
■次のページで、「やきまる」の商品企画書を掲載します。