2月24日からプレミアムフライデーが始まった。経済産業省と経団連、15の業界団体が個人消費の刺激を狙って企画したものだ。企業が従業員に毎月最終週の金曜日午後3時終業を呼びかけ、以後は買い物や飲食、レジャーを楽しんでもらう。長時間労働是正の点でも期待される。
第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは経済効果を試算する。「あらゆる企業と従業員が実践して労働時間も着実に減れば、1236億円の消費拡大効果が期待されるが、大企業のみの実施なら135億円にとどまる。またしわ寄せで別の日の残業が増えても経済効果は減少する」。米国ではブラックフライデーが感謝祭(11月第4木曜日)の翌日に実施されて大盛況だが、永濱氏は「米国の場合は在庫処分セールにすぎない。デフレに蝕まれてきた日本で同じように単なる安売りをしても消費は刺激されにくい」と指摘。消費者にアピールする工夫が必要だという。
プレミアムフライデーは強制ではなく、どれだけの企業が賛同するかは未知数。だが実際の効果が予想の数分の1でも意義はある。「国の負担は広告費などに約2億円、公共投資と比べてコストパフォーマンスが高い」(同)からだ。当日はセールやイベントが催され、2泊3日の旅にも出やすくなる。小売りやレジャー、旅行業界にも相応の恩恵が及ぶ。
(AFLO=写真)