売れない理由は自己分析をすれば見えてくる
公私のバランスを取りながら、仕事一辺倒にならないように気をつけてきたことが、「成功の鍵」ではないかという矢澤さん。では、仕事を続けていくことを阻まれるような事態にこれまで陥ったことはあったのでしょうか。
「転職してからの数年間でしょうね。あのころは、他人と自分を比べては自己否定してしまっていました。
ライバルやロールモデルを設定することは、明確な目標を持つという意味では非常に有効ではありますが、半面、その人たちと自分とを比較することで自己否定に陥りやすいんです。そうすると心身が不健康になります。他人を軸にするのではなく、あくまでも自分を軸にしなければいけません。
他人と自分とを比較するクセから抜け出すことは容易なことではありませんが、私の場合は自己分析によって克服できました。先輩ライフプランナーに指導を受け、活動記録を元に、どのぐらいの訪問をして、得意なマーケットは何かなどを分析したのです。すると、自分の得手不得手が分かるようになり、人と比べることから少しずつ解放されていきました。
だから、人と比べて一喜一憂しないこと。それが自分の幸せを追究するための近道だと思います。セールスの社内ランキングなどは、タブロイド紙の記事のような娯楽だと思って見るようにしています」
当然、売れる人と売れない人の根本的な違いもまた、そうした自己認識の差から生じるのではないかとも話します。
「売れていない人に共通して言えるのは、自己分析をやっていないということです。私のところに相談に来た人に対しては、まず初めに、具体的にどんな営業活動を行っているのかを一緒に見ていきます。活動の記録をもとに、どのくらいの訪問をしていて、新規のお客さまはどのくらいいらっしゃるのか、得意なマーケットは、といったことですね。
たとえば『毎年8月に体調を崩す』とか『いつも期末でつじつまを合わせている』などの分析結果が出るとします。ところが、結果が出ていない人のほとんどは、そういった自分の状況をまったくといっていいほど把握していません。
この活動の分析をするだけで、多くの人が『目からうろこ』状態になりますよ。ただやみくもに活動量を上げるのではなくて、自分に合った上げ方をしないと結果にはつながりません」
※本連載は書籍『アメリカ本国を驚愕させたプルデンシャル生命の「売る力」2』からの抜粋です。