魅力的な“話術のパターン”づくり

松本さんのコーヒー語りの種明かしをすると、こんな風になっている。

「コーヒーをおいしくしたい。<間 =まあそうだね>何を一番大切にしますか? 豆ですか、水ですか?<間 =自分はどうだろう?>水からいきましょう。お湯は何度にしたらいいと思いますか?<間 =何度だろう?>85度です」

前ページの5ポイントから見ていこう。

1.2.3.まず最初に短いフレーズで問いかける。<間 =相手の反応を見る>には、声には出ない「そうだね」のような聞き手の相槌が隠れていて“対話”になっている。

4.次に、ひとさじの“疑問”を加えて相手に考えてもらう。必要なのは「何度にしているか?」と相手に聞いたら、「自分はどうだろう」と考える“間”を与え、相手を話に引き込むこと。“間”をつくることが難しければ、「ただ黙ればいいんです」だそうだ。

5.最後に「何度にしたらいいと思うか?」と聞くことで、“間”のときに「何度だろう?」という疑問が浮かぶ。これで「85度です」という答えが際立ち「なるほど」「へえ」とインパクトを残せるわけだ。

では、もう一度整理してみよう。

1.短いフレーズで話す(パッとわかりやすくする)
2.問いかける(対話し、興味を引きつける)
3.“間”(ま)をつくる(理解・思考する時間をとる。反応を見る)
4.疑問を投げかける(考えさせて、答えに引きつける)
5.いよいよ答え! で「へえ」と思わせる(驚きを提供する) 

このパターンにあてはめて会話をしてみると、たとえばこんな風になる。

「おもしろいことがあるんです。なんだと思いますか?<間 =なんだろう?>この製品はここがすごいんです。でも、そこがお伝えしたいわけでなく、<間 =違うの?>実は……」。

これなら、ぐいぐい相手を話に引き込めそうだ。そして、もうひとつ話を効果的に話す形は、“まずは結論”から伝える「倒置法」にある。