つまらない説明をおもしろくするコツ

さて今度は、おいしいコーヒーを入れるポイントを説明してみる。

「おいしいコーヒーを淹れるための、お湯の温度は85度」

ところが松本さん曰く、「それではつまらないでしょう。まず、“おいしいコーヒーを淹れる”ことと、“お湯の温度は85度”をひとつの文にしてはダメ。切るんです。そして、疑問を投げかけて相手に考えさせてください」。

では松本流に従って、まずはポイントになる要素ふたつを“短く抽出”してみる。

*おいしいコーヒーを淹れる
*お湯の温度は85度

そして、次の5つのポイントを使って話を組み立てる。

1.一文を短くする
2.問いかける
3.間(ま)をつくる
4.疑問を投げかける
5.「へえ」ポイントをつくる

たとえば、松本さんが「おいしいコーヒーの淹れ方」について語ると、こんな風になっていた。

「コーヒーをおいしくしたい。何を一番大切にしますか? 豆ですか、水ですか? 水からいきましょう。お湯は何度にしたらいいと思いますか?  85度です」

コーヒーを淹れるなら、おいしいのを淹れたいでしょう。どうやります? と相手に揺さぶりをかけて話に引き込む。その語り口は、軽妙でわかりやすい。まずはこの語り方の構造をみて、私たちが応用できる「人を引き付ける話術のパターン」をつくってみよう。