才能が「影響力」に偏る男
私たちの仮説的プロファイリングによると、トランプの“5つの強み”は「活発性」「コミュニケーション」「最上志向」「自我」「競争性」となった。これは何を示すのか。分析してみよう。
【全体の傾向】
予想されるトランプの5つの強みは、すべてが4つの領域のうちの「影響力の資質」に属する。これは、人に影響を与えたいという意識が強いということである。これまでに1万人にも及ぶ人たちの資質を見てきたM氏によれば「“5つの強み”すべてが『影響力の資質』に偏ることは非常にまれで、1000人に1人いるかいかないか」とのこと。影響力の資質が強い人は、存在そのものが人に大きな影響を与える(そして与えたい)人物である。その影響力の大きさで自分自身を評価するようなタイプであり、人からの好き嫌いが明確に分かれるタイプであるとも考えられる。またここまでの影響力の資質が強い人は、エネルギーレベルの高さや、人を鼓舞する能力に長けていることを示している。
【「競争性×最上志向×自我」による強み】
トランプのこれまでのヒストリーを踏まえると、「1番になりたい」(競争性)×「最優秀でありたい」(最上志向)×「特等席に座りたい」(自我)の3つの志向を同時にもっていると考えられる。これら3つの才能が組み合わせにより、トランプが目指す水準について理解できる。それは、真にレベルの高いことを志向している一方で、特権階級的な意識をもつ可能性もあるということである。また、トランプが努力を怠らずに自分を磨き続けることに熱心な人物であることも物語っている。
【「競争性×自我×戦略性」による強み】
トランプは取引や交渉が得意で好きであることを公言しているが、この特徴を、ストレングス・ファインダーの資質から読み解くと、「競争性×自我×戦略性」の組み合わせにより発現したものではないかと予想される。競争や取引で一番となり、それによって賞賛されることを喜び、またそのために戦略性を駆使できることが彼の強みであると考えられる。