習慣が定着すると、園内も少しずつ雰囲気が変わってきました。そこで重要になるのが結果。黒字化して、ボーナスを出すことです。

いくら私が明るく振る舞い、掃除をしようと声高くしても、結果が伴わなければ、社員たちのやる気もなくなります。失敗もありましたが、世界中でここにしかないイベントを生み出し、入場者数は順調に増えてきました。約1300万球の発光ダイオード照明が輝く光の王国、100万本以上のバラやチューリップなど1年中花が咲き乱れる花の王国、一番新しいものでは、世界中のロボットを集めたロボットの王国などです。

おかげで15年9月期には利益100億円超。給料を上げることができ、ボーナスも出せるようになりました。社員もだいぶ元気になってきましたね。中からもアイデアが出るようになってきました。

動かしたいなら、こちらも本気で相手を欲する

現在は完全に手を引いているスカイマークエアラインズ(現スカイマーク)の設立時も、「どうやって人を動かすか」で苦労しました。

1996年の設立当初、2年で飛行機を飛ばす計画でした。そのためには、250人ほどのスタッフが必要です。ところが、最初の年に集まったのは20~30人。パイロットや一級整備士、運航管理者などの専門職は、JAL、ANA、JASのどこかに雇用され安定している。年収1000万円以上の給料をもらっている人たちが、いつ潰れるかわからないエアラインに移る必要はありません。

宣伝を打つ、ヘッドハンティングする、直接口説く……いろんな方法を駆使しました。やはり一番大切なのは、気持ちです。本気で相手を欲しないと気持ちが通じません。中途半端な気持ちではダメです。パイロットと整備士、運航管理者は、不思議なくらい性格も考え方も違います。待遇も含め、一人ひとりに私たちが欲している気持ちを伝え、結果、2年で飛行機を飛ばすことができました。

一口に人を動かすと言っても、相手のタイプは全員違います。だから、つくづく難しい。今も失敗しながら学んでいます。