30分でアクションプランまで導くには?
「異議はありませんか」という議長の問いかけに対し、誰からも反論はなく、議題は承認。日本流の会議は淡々と進む印象があるが、外資系の会議は意見を言わない者は、考えていないとみなされマイナスに。
「意見を持っている参加者は多く、放っておけばまとまりません。だから承認を取りつける会議では、みんなが同じ方向を向くように、日本以上に根回しするんです。直接会うなり、メールなりで、先に要点を示しておいて、『どこかで引っかかることがあったら、そのときはサポートしてください』とお願いしておきます」(バンク・オブ・アメリカ東京支店 木越純副会長)
一番大事なのは、反対意見を事前に聞いて調整すること。そうすると会議の場では修正された意見が出るので、議論が停滞することはない。
「アイデアを検討する会議なら議論も歓迎。でも案件を決める会議においては、なるべくポジティブに進めたい」(木越氏)。会議を円滑に進めるための大切な下準備なのだ。
「会議」時短テク
【事前準備】
[1]ファシリテーターを決める
議題を立ち上げた人が、会議の責任者&進行役を担当。何をやりたいかを明確に持っている担当者が話を進めると、会議は着地しやすくなる。
[2]30分で必ず結論まで!
外資系企業の会議は基本的に集中力が持続する30分刻み。時間が限られているため、進行の精緻な段取りを準備でき、参加者も会議中の緊張感を保てるのだ。
[3]重要人物には事前に根回し
会議を開く前、キーマンから意見を聞いて、結論を出す。そしてその後、参加者に個別に会って意見を調整しておく。5分でもキーマンに口頭で説明し、交流を図るべし。
[4]資料はメールで事前配布
まず事前に資料をメールベースで配布し、その中で「今回の案件のポイントはここ」とはっきり明記しておく。参加者は集中でき、話が横道に逸れることが少なくなる。
【会議】
[5]出席者は全員発言がマスト
会議への参加資格は、資料に目を通し、自分の意見を表明すること。反対意見でも、解決策も一緒に提案して生産的に。有限の時間をムダにしないように使おう。
[6]残り10分で決定内容を共有
30分は短い。しかし全部を話し合いに使うのではなく、3分の1は振り返りの時間として使うのが理想だ。議論半ばにして強制終了するより、計画的にここまでに話をまとめよう。
[7]最後の5分で役割分担を決定
会議で話し合われたことを、その後にもつなげるため、最後に各自の役割を相談。次の課題も決めて、“宿題感”を残す。「最後の5分」と設定するのが肝心だ。
[8]議事録は、サクッとメール本文に
会議の決定事項は確認のため、参加者にメールで送る。どうやって結論に至ったのかという背景、そして会議で決定したタスクを、議事録として本文に手短に書き出そう。