鳥貴族 代表取締役社長
大倉忠司さん

1960年、大阪府生まれ。85年「じゃんぼ焼鳥 鳥貴族」1号店を東大阪市にオープン。東名阪エリアを中心に492店舗(2016年7月現在)を展開。30周年を迎える今年4月、東証一部に指定された。8月は東京「赤坂一ツ木通り店」「堀切菖蒲園店」、大阪「梅田DDハウス店」をオープン予定。
 

私は自分の好きなことが仕事になっているので、ストレスは溜まりませんし、これといって趣味もないんです。強いていえば、お酒を飲むことくらい。特に白ワインが好きですね。

「gratia」を知ったきっかけは、「エフロク」という関西経営者の集まりでオーナーさんと知り合ったこと。行くとワイン一本か、調子がいいと二本飲みます。同じボトルでも、ここでは一杯ごとにグラスを替えて違った味を引き出してくださるんです。私にとっては代わりの利かないお店ですね。

11年前に「鳥貴族」の関東進出を決めた際、中途半端ではうまくいかないと思いましたので、週の半分を東京、残りの半分を大阪という二重生活を始めました。東京滞在時に知った「jeeco」は、カジュアルな値段でサービスが素晴らしいお店。メニューにないワインが豊富で、ハッピーアワーがあることもあり、よく利用します。

高校時代にビアガーデンのアルバイトを始めて以来、これまで飲食業一筋の人生です。「鳥貴族」を創業してからは、とりわけ“安くて美味しい”というベーシックな部分を磨き続けてきました。当社が単一業態だということもあり、私のことを“ブレない経営者”と評していただくこともあるのですが、自分では不器用な人間だと思っています。もし16歳で別のアルバイトに出合っていたら、違う業種で地道にチェーンストア理論に挑戦していたかもしれません。

経営者としても、父親としても、大声で怒るタイプではないと思います。基本的には放任主義で、三人の息子に対しても、一回も「勉強しろよ」と言ったことはありません。大人になった今でも、集まれば冗談ばかり。説教とか、くどくど人生訓を垂れるなど一切しないので、嫌がることなく父親に会いにきてくれるんだと思います。

お酒を飲む分、健康には気を使っています。週に二、三回は軽くジョギングをしますし、健康食品を携帯する健康オタクです(笑)。今後数年で国内1000店舗を達成した後は、2000店舗の達成と海外進出を計画しています。そう考えれば、ずっと元気でいたいですから。

私は“青春”とは年齢ではなく心のあり方だと思っているんです。“大衆の味方”たれという自分の信じてきたやり方を貫けば、必ず世界展開も成し遂げられると思っています。「鳥貴族」に最後まで夢を託しながら、一生青春で人生を終えられたら最高ですね。