はごろもフーズ会長
後藤康雄さん

1949年、静岡県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、味の素を経て78年はごろも缶詰(現はごろもフーズ)に入社。86年より社長、2007年より現職。1958年に「シーチキン」を商標登録した2代目後藤磯吉社長の次男。それまでの缶詰は原料をそのまま描いたパッケージがほとんどだったが、ヨコ文字の商品名と写真を使った斬新なデザインを採用。和洋中問わず利用できるロングセラーに。現在は静岡商工会議所会頭を務める。
 

食べものづくりに携わる者として、美味しいと評判のお店にはどんどん出向くようにしています。実際に食べないと、美味しさのスタンダードを知ることができない。「ここいいよ」と紹介された店があれば、すぐに予約して伺います。

お店に行くと、まずは素材の良さをチェックします。料理は材料で決まる。私はそう思っています。「シーチキン」に使うマグロもそうですが、材料で妥協してしまうと結局美味しいと感じるレベルにならないんです。

本社のある故郷の静岡は野菜も海産物も豊富で、新鮮な材料がすぐに手に入る。「盛旺」は、そんな静岡の食材を使ったオリジナルの中華料理を食べることができます。オーナーご夫妻が定期的に中国や香港などを巡って、流行の中華料理の勉強をしているので新しい味に出合うこともよくあります。特におススメは自家製の具だくさん特製XO醤。食べると箸が止まらなくなり、紹興酒も進みます。すみません。いまもつまんでいたらつい目の前にあったので飲んでしまっています。

いま座っている円卓も三卓あって、大人数でもゆっくりと食事と会話が楽しめます。会社の宴会で使うこともあれば、家族で来ることも多いです。

もう一軒ご紹介するのは、木挽町にある「万葉」。こちらはいわゆる芸妓バーです。ワインや希少なウイスキーを芸妓さんの隣で飲むことができます。防音のカラオケルームも完備していてプライベートな時間を心地よく過ごすことができます。

ママは現役の芸妓である清葉さん。清葉さんとのお付き合いはもう40年ほどになりますね。

はじめて新橋のお座敷にきたのは20代の頃。父が、お座敷遊びが好きで連れてこられました。父は大正8年生まれで、娯楽が少ない時代だったので、お座敷遊びくらいしか遊びがなかったのでしょう。よく通っていました。

昨今、少子高齢化で日本人の胃袋が小さくなってきているといわれます。中にいると、日本のマーケットが少ないと思うかもしれませんが、国民所得が一人あたり400万円ほどあるというのは諸外国と比べても高い水準なのもまた事実。フライパンで少量を茹でられるスパゲティや、お子さんでも噛みきりやすい海苔など時代のニーズに合わせた商品をつくれば国内市場にもチャンスがあると確信しています。