迫本淳一さん
1953年、東京都生まれ。76年に慶應義塾大学経済学部を卒業後、法学部に学士入学。卒業後は松竹映画劇場に入社し、仕事をしながら司法試験に挑戦を続けて、37歳で合格。弁護士となる。97年、ハーバード大学ロースクール客員研究員を務め、帰国後に松竹の前会長、永山武臣氏の熱心な誘いにより98年、同社の顧問として入社。翌年、副社長に就き、2004年に代表取締役社長に就任。
「天青」は学生時代の友人であるフォーシーズの会長、淺野(秀則)君が経営する店。天ぷら屋を始めたというので来てみたら本格的だし、個室があって社用にも使いやすい。「大木屋」は学校の後輩でインボイスの創業者である木村(育生)君からの紹介です。ボリューム感と安さはただのもんじゃ焼き屋じゃない。パワーを上げようというときにぴったりです。山田洋次監督と映画『おくりびと』の脚本を書いた小山薫堂君を、ここで引き合わせたこともあります。
食べることは好きですね。お酒を飲まない代わりに大の甘党で、世界一好きなお菓子はどら焼きなんです。弁護士時代、帰宅途中の駅のベンチでどら焼き5個一気に食べたことがあるぐらい。家だとかみさんに個数制限をされるので。いちじくのパウンドケーキをもらい、一口だけと食べ始めたら止まらなくなり、結局、食べ切ってしまったとか、欲望に負けた話はいくらでもあります(笑)。
実は、10年ぐらい前、減量して20キロ落としたんです。でも、その後にリバウンドして健康診断の数値がめちゃくちゃになり、さすがにまずいとスロージョギングや水泳など運動を始めました。最近、興味を持っているのが運動生理学。体を動かすと体の中でどのような変化が起きるのかといった理論は、知るほどに面白い。効率よく減量するのにも役立つので、本を読むほかに、専門家の話を聞くこともあります。
食べる物にも気を使うようになりました。会食がないときの昼食は色々選べるのでコンビニに行きます。腸内環境を整えるためにヨーグルトやキムチなどの発酵食品を買ったり、ビタミンと食物繊維を摂るためサラダを選んだり。ただ、ものすごくお腹が空いているとついドーナッツやデニッシュも一緒に買ってしまうのですが。
GINZA KABUKIZA(歌舞伎座と歌舞伎座タワーからなる複合施設)の地下にもおいしいスイーツが揃っています。観劇される方でなくても買い物や食事が楽しめる。5階のギャラリーでは、歌舞伎の展示会も開催しています。将来、歌舞伎のファンになってもらえたらと、このフロアをつくりました。歌舞伎は400年以上続く伝統芸ながら、国の助成を受けずに成り立っています。つまり、お客様あってのもの。これからも現代のエンターテインメントとして継承していければと思いますし、そのための秘策になればと願っています。