「前略」型のほうが相手にダイレクトに伝わる

こうした前略型では、相手の意思とは関係なく、一方的にこちらの要求を突きつけるため、その要求や意見がダイレクトに相手に伝わりやすい。急なトラブルによる問題解決や、揉めそうな案件ですぐに上司に決断を急がなければならないといった事態ほど、有効になるだろう。

ただし、前略型で話を切り込むためには、正論が必要になる。私の場合は「インタビューに答える仕事をしたので、お金(謝礼)を頂戴する」という正論である。それが、正論とまではいかなくても、多くの人が納得できるような根拠が必要になる。

この点、詐欺師は巧みである。

先のオリンピック詐欺を見ても、入場券購入の話自体は嘘ではあるが、多くの高齢者が納得してしまうような「あなたの名前で、入場券が買われています」「あなたの個人情報が洩れています」という話を展開している。

だれもが納得できる道理や主張があれば、前略型を行うことで、一気に結論へと話を導ける。しかし、もし正論なしにこれを行えば、ただの無鉄砲ということになりかねない。目の前の案件を、拝啓型でじっくり話を進めるのか、前略型でことを構えるのかは、その時の状況にもよるが、そこには、相手を納得させられるだけの正論があるかが、大事なる。