ブロックチェーンを使った地域通貨の発行
北尾氏は「フィンテックベンチャーとともに、300億円のフィンテックファンドを立ち上げ、既に20数社に投資し、60億円を使った」とし、今後の方向について「地域銀行価値創造のため、1000億円規模で資金を集めようと思っている。各銀行についてわれわれが株主となって、地方銀行を全く異なった性格の銀行に変えていく。地域銀行活性化のためにさまざまな技術が利用できる」と述べた。
その具体例として北尾氏はまず、Orb(仲津正朗代表取締役)と組んだブロックチェーンを活用した地域通貨の発行を挙げた。
「地域の観光客が1万円を消費する場合、これを地域通貨で支払う。その際、+500円の補助金が地方自治体から出る。これはふるさと納税から賄える。地方通貨はその地域で消費されるため、その地域は潤い、企業は銀行の融資を求めるようになる。こうした好循環をつくっていく。Orbに限らず、今新しいフィンテック・ベンチャー企業が次々に登場してきている」と述べ、次に具体例としてBASE(鶴岡佑太代表取締役)を挙げた。
「BASEはEコマースのプラットフォームを30秒でしかも無料でつくることができる。また、自社で展開するオンライン決済サービスPAY.JPでは、モバイルフォンのパスワードでクレジットを与えるか与えないかを瞬時に判断する。こうした素晴らしい技術を持っている企業がたくさんある。これらをコンバインして新しい世界をつくっていく。これが私が考えるフィンテックの世界だ」と結んだ。
フィンテックはまさに実用化の時代に突入した。