英語を教えはじめ先生は明るく、若々しくなっている

三宅義和・イーオン社長

【三宅】さて、小学校の英語導入から4年以上経ちました。現在の小学校の現場に、すっかり定着しているのでしょうか。また、子どもたちの変化や成果としての英語力という意味ではどうですか。

【佐藤】そうですね、変わりましたね。子どもたち、80%近くが「英語の授業が好き」って言っているし、ALT(外国語指導助手)の人を見ても積極的に話しかけますね。前は、逃げてしまった子どもたちが積極的になった。それから、中学校の先生たちの声ですが、「入学してきた段階で英語の発音がいい。それからきちんと自己紹介ができる、ずいぶん違う」と。そして何より、現場の先生が積極的になりました。小学校で英語を教えはじめた高学年の担任は、性格が明るく、若々しくなっています(笑)。

【三宅】それは素晴らしいですね。

【佐藤】このことは、クラス・マネジメントにもきっと好影響があると思っています。

【三宅】この8月に出た次期学習指導要領に対する中間まとめですが、やはり英語が注目を浴びています。本来なら「道徳の教科化」など、それなりにトピックがあるのですが、新聞を見ますと「英語が5年生から教科になります」ということが大きく取り上げられています。この流れを先生はどのように思われますか。

【佐藤】もちろん、とってもいいことだなって思います。私は小学校で英語を学ぶ意義というのは、子どもたちが自分の思いとか伝えたいことを人前で堂々と話せるようになることだと信じて疑いません。英語っていうのは、最初は通じなくても、大きな声で話そうとか、お友だちが話していることもしっかり聞いてあげようとか、前向きなコミュニケーションの基礎を養ってくれます。それができるというのは、素晴らしいことす。

それから、やはり子どももこれから大きくなって大学生や社会人になり、自分の夢の実現に、英語が武器になったら、可能性も広がっていくわけです。そういう意味でとっても注目されて、「みんなで英語をやろう」っていう機運は大切にしていかなければなりません。

【三宅】ただ、教科になりますと、成績評価されるようになるわけです。3年生から「英語活動」として英語に接してきて、楽しいと感じているところに、今度は「教科」になるわけですから、生徒も保護者も戸惑いもあるかもしれません。先生は、どう受け止めたらいいと考えますか。

【佐藤】他の科目と一緒だと思えばいいのではないでしょうか。何より、5、6年生になったら学習効果は測定できたほうがいいと思うんですよ。ですから、いつまでもゲームをやったり、楽しんでいるばかりでは、本当の英語力は身につかないですよね。やはり、基礎力はつけてほしい。そういう意味で学習効果が上がるんだから、お母さんたちは喜んでいいことだと思います。

ただ、やはり三宅社長がご指摘されたように、あくまでもコミュニケーションなんだから「中学受験の入試科目が増えた」と評価を気にし過ぎないでほしいですね。英語っていうのは話したり聞けたり、そういうところが大切なツールだということを絶対忘れないようにすべきです。