これが自宅での看取りをするための「準備」
しかし、ケアマネージャーのIさんは、「最初から在宅医療、そして自宅での看取りは無理だと、決めつけないでほしい」と言います。
Iさんがこれまでに担当した介護サービスを利用した人の中に、自宅での看取りをした人を何人も見ています。その事例から、次のようなアドバイスをしてくれました。
「まず、高齢の親御さんがいたら、風邪などで体調を崩した時、近くの開業医の診療を受けるようにします。近くにかかりつけ医を確保し、何かあったら相談できる関係を築いておくのです。そして要介護になり通院が難しい状態になったら、往診を頼んでみる。応じてくれる医師は結構いると思いますよ」
けれども、往診はできないと言われたらどうするか。
「お知り合いに在宅医はいませんか、と聞くんです。顔の広い医師なら心当たりはあるはずですし、紹介状を書いてくれるでしょう」
しかし、それも不調に終わったら……。
「地域にもよりますが、在宅医を抱え訪問診療を行っている事業所があるのです。インターネットで“訪問診療”と最寄りの地名で検索すれば、そうした事業所は見つかるはずです。そのデータを持って、かかりつけ医を訪ね、「ここを利用しようと思っているんですが」と相談する。そうしたプロセスを踏めば、紹介状は書いてくれるはずです」
紹介状はこれまでの病状を伝えるためにも必要だといいます。