――京大時代、アメリカンフットボール部で活躍したと聞く。チームプレーはお手のものではないか……。
【新野】アメフトは肉体的にも苛酷だが、それ以上に戦略的なスポーツといっていい。私が在籍していた当時は、米国のカレッジフットボールのゲームを8ミリカメラで撮影して、フォーメーションを研究した。オフェンスは局面ごとに緻密な作戦に基づいたプレーが決まっていて、それを確実に行えばタッチダウンできる。
それだけアメフトはシステマチックな球技で、そこでの作戦の重要性はいま、私のなかで「面の経営」という言葉に置き換わっている。従来、NECは事業部門が強い縦割りの経営をしてきた。けれども、グローバル化に対応するためには全社的な合意を形成しないといけない。
そこで数年前から執行役員が合宿して、当社の将来を話し合ってきた。そして見えてきたのが「セキュリティ」と「セーフティ」という事業領域だ。ここにICT(情報通信技術)で培った強みを投入し、世界に通用するブランドを立ち上げたい。
日本電気社長 新野 隆
1954年生まれ。77年京都大学工学部卒業後、日本電気に入社。金融ソリューション事業本部長などを経て、2012年から代表取締役・執行役員副社長兼CSO兼CIOを務め、16年4月代表取締役・執行役員社長兼CEOに就任。
1954年生まれ。77年京都大学工学部卒業後、日本電気に入社。金融ソリューション事業本部長などを経て、2012年から代表取締役・執行役員副社長兼CSO兼CIOを務め、16年4月代表取締役・執行役員社長兼CEOに就任。
出身高校:福岡県立修猷館高等学校
長く在籍した部門:金融ソリューション事業部門
座右の書(または最近読んだ本):『構想と決断 NECとともに』
座右の銘:自助と信頼
趣味:スポーツ観戦
(岡村繁雄=構成 澁谷高晴=撮影)