強みは「いい人」

――モスバーガーさんとはうまく連動しておられるのですね。

【鈴木】株式会社モスファームすずなりは、モスバーガーさんから経営を任せていただいているのでうまくいっています。モスファームすずなりが動き出して2期目で、決算上3期目ですが、配当金を出せるぐらいまで経営は好転しています。非常にいいですね。バランスシートを見ても自己資本比率が高いので、本体の鈴生より、よほどいい会社になってきました(笑)。

――好調な秘密は何でしょうか。

【鈴木】何度も言ってすみませんが、理念の共有です。金儲けのため、CSRのために農業を使われたくないので、一緒に農業やる以上、最高の品をつくってお客さんに喜んでもらいたい。その思いを共有してくれる方と組みたい。

――では、経営上の課題となると、何でしょうか。

【鈴木】農地の確保に尽きます。耕作放棄地の解消を兼ねて規模拡大を進めているのですが、いい農地にするのには時間がかかる。でも、何とかしたい。そこでプラスアルファを考えています。たとえば、静岡は冬作でレタスができるので、水田の大規模経営の方と組んで冬の裏作の場所として田んぼを借りています。麦の転作の裏作とか、1年間を通しての水田活用です。良質な農地を水田の裏作で管理させていただいて、レタスの好む土壌を広げ、耕作できなかったところの価値を高める。新しい農地活用だと思います。

――鈴生さんのビジネスモデルの強みは、どのように認識しておられますか。

【鈴木】一番自慢できるのは「いい人がいる会社です」ということ。いい作物をつくるにはいい土壌が必要。いい土はいい人間でなければできないんです。だから、人づくりが原点。いま、うちの人間は、どこに出しても恥ずかしくない。どこかの会社とジョイントベンチャーを組むときも、任せてくださいと言えるのは、うちの人材を2人送れば、先方さんの会社もよくなるからです。そこが一番自慢できる強みです。