イラストレーターなど。著者は自分の肩書をそう称する。漫画家としてデビューし、時には文筆業、時にはタレントとして活躍の場を広げた。仕事内容を聞かれる機会が増え、その肩書を名乗るようになったが、「今は絵を描くだけの仕事がほぼないから、肩書は『など』かもしれません」と笑う。

みうらじゅん
1958年、京都府生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。以来、漫画家、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活躍する。著書に『人生エロエロ』など。写真左はみうら氏のラブドール。

その「など」の実態を総括するのが本書だ。造語が定着した「マイブーム」「ゆるキャラ」を筆頭に、仏像のかっこよさに注目した「見仏記」、変な土産物を集める「いやげ物」……。大小のブームを牽引した多彩な作業を、著者は「ない仕事」と呼ぶ。

(永井 浩=撮影)
【関連記事】
『「ない仕事」の作り方』みうらじゅん著
「まだやってる」と言われることがプロの称号
熱中という「不自然」なことをあえてやる
アスリートは感動の他に何を提供できるのか
「違和感」を辿っていくと仕事の種がある