小さな努力の積み重ね、つまりプロセスの先に結果がある。ただし努力がすべて報われるとは限らないから、結果にはムラが出る。ゆえに、結果でしか評価しない上司の下では、結果が出ないとモチベーションが下がって辞めたくなるのだ。しかし、「結果は後からついてくるから」とプロセスを評価してくれる上司の下でなら、「もうひと頑張りして成果を出そう」「今は耐えるときだ」と思える。
(4)の「征服」タイプはトップセールスに多い。すでに社内の評価は得ているので上司の評価には関心がなく、報酬も得ているから、金銭的なインセンティブが強く働くわけでもない。要は自分の力がどこまで通用するかに関心があって、難攻不落の相手を落としたり、劣勢の市場に切り込んでシェアを分捕ることに満足感を見出す。これを保ち続けることで、何年もトップセールスでい続けることが可能になるのだ。
このタイプの部下にはミッションを与え続けるに限る。「キミにしかできない」「時間はいくらかかってもいいから、キミが先陣に立ってやってくれ」――。こういう持ち上げ方をされると燃えてくる。
さらに征服欲の種類は部下によっても微妙に違っていて、大口顧客攻略にこだわる人もいれば、競合他社と戦って勝つのが面白いという人もいる。上司が普段の部下の行動から判断して、相応しいターゲットやミッションを用意することが鍵となる。
さまざまな営業マンがそれぞれの価値観で仕事をする時代である今、自分の経験則や価値観を画一的に押し付けるようなマネジメントでは、一人一人のやる気を喚起するのは難しい。やる気を起こさせるアプローチは、各人に合わせたオーダーメードであるべきだ。
(図表データ=カーナープロダクト調べ)