都政も都知事も転換期

都知事選挙の投票日が迫りますが、都知事は巨大な組織の責任者、代表者なのでその役割をきちんと認識していることが必要です。特に今回は2人続けてマネースキャンダルで辞職しているという流れがあり、当然ながらお金にクリーンな人が求められるでしょう。

しかし、いまの東京が抱えている問題はとても深刻です。少子高齢化、人口減少、経済の低成長――その中で見逃せないのが、生活の質、心の豊かさといった価値観は高まっているという点です。具体的には、文化芸術スポーツ、水や緑などの景観、もちろん子育てや介護などの対策も必要です。同時に、世界的にはロンドン、ニューヨークといった都市と競争しており、国際競争力を高めるための街づくりもしなければならない。都心部をみると、公共機関、治安、街の清潔さ、スラムがないなど、東京はロンドンやニューヨークの都市部よりもずっといい状態を東京は実現しています。ですが、絶えず競争にさらされており、継続した投資が必要です。経済の低成長については、大企業に雇用増加は期待できません。起業など新しくビジネスをたちあげることに対する政策も必要でしょう。

都政は転換期を迎えています。もう物的施設を増やせば良いという時代ではありません。また、単に保育を充実します、待機児童を解消します、では政策になりません。そのためにどうするのかが都知事に求められている時代です。行政改革に加えて、東京なりに政策のスキームを変えていくことが必要です。これは、過去の都知事に求められてきたものとは全く異なるといってよいでしょう。

有権者として大事なのは「そんな候補者はいない」は言わないこと。都知事として育てればよいのです。