あなたの話し方はまるで出入り業者だ
残念ながら、無意識のうちにバカに見える話し方をしているビジネスマンは大勢います。理由は大きく分けて4タイプ。
(1)「失礼がないように」と気遣うあまり、へりくだりすぎておかしな敬語になっている。
これにあたるのが「~させていただきます」の多用や「○○先生!」という大げさな呼びかけ、挨拶代わりの「すいません」、謎の相槌「なるほどですね」などです。「ご相談」という言葉に「打ち合わせ」や「(ギャラや日程の)調整」など、本来の意味以外のものを含ませ、一体何を指すのかわかりづらくしているケースもあります。直接お客様を相手にするサービス業や保険の外交員、クライアントとのやり取りが多い営業マンなどが陥りやすいケースで、“出入り業者”のような、プロっぽくない印象になってしまいます。
(2)知的に見せようという努力が空回りしている。
これにあたるのは、「ソリューション」「ローンチ」などのカタカナ用語や、「要するに」「結論から言うと」「逆に」「それでいうと」など、大して意味をなしていない接頭語です。IT系やコンサル、そうでなくても社会人になりたての男性に多く見られます。ミーハーが業界ツウぶっているように見え、“残念”な印象になります。
(3)狡さや尊大さが透けて見える。
たとえば「月曜納品は可能でしょうか?」というセリフは多くの場合、断れない状況下で発されています。つまり、「お願いしますね」という意味で「可能でしょうか?」と言っているのです。すると、どうしても“頼むべきシーンで頼まない尊大さ”がにじみます。「展開」「着地」も、作業の全貌が見えないまま部下に「うまいことやってほしい」という真意を巧妙に言い換えています。「よろしく!」も何も考えずに丸投げしたことが見え見えです。なかでももっとも嫌らしいのが「ご理解いただければ」。これはもちろん「わかる」という意味ではなく、「(なんなら理不尽なことでも)納得してくださいよ」という、ちょっとした脅しです。“上”の立場の人が用いやすい話し方ばかりなので、プレジデント読者は特に気をつけたほうがいいでしょう。そういった意味では、「バブルのころは~」という昔語り、武勇伝も要注意です。