「プロセス」って何?
さて、一口にチーズと言ってもバラエティが豊かですが、もっとも基本的な分類に「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」があります。この2つの違いはわかりますか? ナチュラルチーズとは文字通り自然なチーズのことで、原料となる乳を固めてつくりますが、中に含まれる乳酸菌やカビは生きたままです。原料や製造方法、使用する微生物、生産地の気候風土によってチーズの風味は大きく変わります。タイプによっては消費期限が短いものも存在します。
一方で、日本でより浸透しているのが「プロセスチーズ」です。1種類あるいは複数のナチュラルチーズを細かく刻んでから加熱して溶かし、乳化剤などを加えて再び成型します。加熱殺菌しているため保存性が高いのが特徴です。ちなみにここで言う「プロセス」は「加工」を意味しています。スライスチーズやピザに乗せるとろけるタイプのチーズなどスーパーでよく見かけるものには、プロセスチーズが多いでしょう。
「チーズの本場であるヨーロッパはほとんどがナチュラルチーズで、プロセスチーズなんて売っていない」として、プロセスチーズを下に見る傾向がチーズ好きの中では強いのも事実です。しかし、プロセスチーズにはプロセスチーズなりの利点(保存性だったり、加工のしやすさだったり、あるいはハンバーガーやピザで楽しめる独特の「ジャンク感」だったり)もありますので、単純に優劣を付けるよりも、別物として楽しんだほうがチーズの世界は広がるかもしれません。