2000年度和歌山は54倍!現在、山口は2.3倍!
なお教員採用試験は、全国一律の国家試験ではなく、それぞれの自治体ごとに実施されています。当然、競争率は自治体によって異なっています。2015年度の小学校試験の競争率をみると、東京は3.5倍ですが、私の郷里の鹿児島は11.0倍にもなっています。
全国的にピークだった2000年度との比較をしても、東京は5.7倍から3.5倍へと下がっていますが、鹿児島は8.4倍から11.0倍へと上がっています。
表1は、47都道府県の小学校教員採用試験の競争率を整理したものです。黄色マークは最高値、青色マークは最低値、赤字は上位5位を意味します。
2000年度ではほとんどの県で競争率が2ケタで、11の県で20倍を超えていました。マックスは和歌山の54.2倍! スゴイですねえ。何かの間違いではないかと、原資料を何度も見直しましたが、受験者325人、採用者6人という数字がしっかりと記録されています。当時は全国的に、教員採用試験が難関だったようです。
しかし2015年度では、多くの県で競争率が5倍を下回っています。最低は山口の2.3倍で、2人に1人が通るという状況です。先に記したように、人口が多い世代の大量退職により、新規採用が増えているためです。都市部ではそれが顕著で、2000年度から2015年度にかけて、東京は489人から1373人、大阪は88人から1533人へと採用数が増えています(小学校)。
2015年度の競争率が10倍を超えるのは、岩手、宮崎、鹿児島ですが、これらの地方県では民間の給与が安く、公務員人気が強いこともあるかと思います。