インフレ環境では預金が「目減り」する
一方、株式や投資信託への投資に抵抗感をもつ人もいるだろう。だが、これからは銀行にお金を預けているだけでは、資産が目減りする恐れがあることを理解してほしい。
かつては物価が下がる「デフレ」だったため、投資の必要性は小さかった。だが2014年4月以降、日銀の金融緩和の影響で、物価が上がる「インフレ」へと環境が変わりつつある(図5)。これからは銀行預金だけではなく、株式を含めた投資にも目を向ける必要がある。そのときの投資先は日本だけでなく、海外の株式や債券に分散させたい。
危機感に煽られ、闇雲に投資商品を買うことは避けたい。資産形成は「公的保障」「企業内保障」「自分で準備」という3段階で考えるのが基本だ。まずは公的年金や勤務先の退職給付制度について調べよう(図6)。
公的年金は2015年4月から物価上昇に連動した給付増が望めなくなった。企業の退職給付も、会社員の7人に1人は「企業型確定拠出年金」が導入されている。将来の退職金や年金を自分で運用する時代にシフトしつつある。これからは誰もが資産運用と無縁ではいられない。焦らず一歩ずつ、投資を学んでいこう。
ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子
大学卒業後、出版社や新聞社などを経て独立。2000年、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。LIFE MAP,LLC代表。著書に『新・投資信託にだまされるな!』『年利15%でふやす資産運用術』などがある。
大学卒業後、出版社や新聞社などを経て独立。2000年、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。LIFE MAP,LLC代表。著書に『新・投資信託にだまされるな!』『年利15%でふやす資産運用術』などがある。
(ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子 星野貴彦(プレジデント編集部)=文)