マーケティング用語で商品説明を「ボディコピー」というが、ボディコピーはZの斜め線部分に配置する。機能的価値の説明はここで行うが、わかりにくいのは厳禁。図や写真を使ってシンプルな説明を心がけよう。

顧客が知りたいのは価格だから、トップに表示したほうがいいと考えるのは誤り。最初に価格を示すと、それが船の錨いかりのように読み手の心に残り、その後の情報判断に影響を与える。たとえば最初に10万円と表示すると、「10万円は高い」と先入観を持った人に対しては、その後でいくら10万円ならお得だと解説しても、そう受け取ってもらえなくなる可能性がある。これを行動経済学では「アンカリング」という。

アンカリングを考えると、価格情報は最後に置いたほうがいい。電話番号や資料請求先など購買行動につながるCTA(Call to Action)情報の近くに商品と価格をセットで配置すると、さらに効果的である。

こうした理論にもとづいて情報をレイアウトした自転車店は、チラシを撒いた後、電動アシスト自転車の販売台数が14倍になったという事例もある。ぜひ試してほしい。

マーケティングアイズ社長 理央 周
アマゾンジャパン、マスターカードなどでマーケティング・マネジャーを務めた後、2010年より現職。マーケティングに特化したコンサルティングなどに携わる。著書に『「なぜか売れる」の公式』ほか。
(村上 敬=構成 榊 智朗=撮影)
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