国内での「爆買い」がUAE進出のきっかけ

同社が中東に進出することになるきっかけは、青山や銀座の店舗に訪れる中東からの旅行者が「爆買い」をすることにあった。店頭ショーケースに陳列してある商品全てを欲しいという顧客が何人も現れるなど、中東からの旅行者の中には大量に自社商品を購入する人たちが数多く存在することが、店頭からの報告で明らかになった。

ヨックモックのシティウォーク店の外観(上)、店内(下)。

中東のどの国の人たちがそうした購買行動を起こしているか。またなぜそれほどまでに大量に商品を購入しているのかを同社が調べたところ、主にUAEからの旅行者であることがわかった。

同社では市場性を調査するためUAEに役員を派遣して市場調査を行ったところ、自社商品の需要が大きいことが判明した。そこで2012年10月にテレビや通信機器の販売を行う地元企業と組んで、UAEでも富裕層が暮らすアブダビの官庁街に1号店を出店した。

この店舗が成功したことで同社は出店を加速させ、現在ではドバイなどに17店舗(2015年時点)を展開している。8店目となったドバイでの出店先は、地元企業でも入居条件が厳しいとされるドバイ・モールで、同社がいかに現地で人気を集め、また評価を獲得しているかがわかる。

UAEで販売する商品は全て日本から輸入されているため、現地では日本のおよそ2.7倍の価格で販売されている。