「産経記事の算出根拠がわからない」

小池事務所の借りた賃料は、相場の半額なのか。本誌は、オーナーと接触する前に、物件サイトで周辺の空き賃貸物件の相場を確認した。さまざまな事務所用の物件があるが、JR池袋駅徒歩12分のところにあり築40年で96平方メートルという条件で、賃料16.8万円の「日当たり良好」の物件があった。他にも、問題とされた事務所と類似した条件で、同じような賃料のところが、確認できる。池袋にある不動産屋に電話で問い合わせたところ「不動産は立地によって賃料はまったく違うので、産経記事の算出根拠がわからない」「池袋周辺地域は年々賃料が上がっている」という回答を得た。

ここで、この事務所のビルのオーナーに、事実関係を確認した。

「亡くなった母が自民支部の元女性部長だったことは事実ですが、お話がきたときを含めて、取引は全て不動産屋を通してやっています。小池氏に貸したときには、9カ月間も空いていましたし、さらに同じビル内で空きが出る状況で困っていました。あの部屋は他の階と比べて床面積が狭いのです。国会議員が事務所として借りて下さるなら、安心できると思って貸し出しました。経済的に豊かという訳ではないので、小池氏に対して特別に安く貸したということはまったくありません」(当該ビルのオーナー)

さらに、相場の問題については、「昨年5月に豊島区新庁舎が誕生したことで、周辺の相場は上がりました。小池氏にお貸しした一昨年の夏でしたし、さまざまな条件から考えて妥当なのではないでしょうか」 (同)。

オーナーは「産経新聞の取材も受けた」と話すが、産経新聞の記事中にそのオーナーは登場せず、取材をしたことすら明示されていない。記事に登場するのは、「複数の不動産関係者」「ビルの関係者」という匿名の関係者ばかり。取材に本当に不備はなかったのか。

産経新聞に対し、当該記事が誤報ではないかと指摘し、取材で知り得た事項について事実の確認を求めたところ、産経新聞社から広報部部長名義で、「個別の記事に関することにはお答えできません」との回答を得た。

舛添要一前東京都知事の政治資金疑惑に端を発した今回の都知事選挙。マスメディアの候補者への追及は加熱する一方だ。今回は結果として「シロ」となった模様だが、次期都知事には、そんなマスコミ報道をも凌駕する一点の曇りもない都政運営が求められている。