25~34歳の男性既婚率 鹿児島46% 東京29%

上記の地図の模様から、男性の結婚チャンスは西南にありと思われますが、確かにそういう傾向はあります。25~34歳の男性の既婚率をみると、鹿児島は45.9%で、東京の29.1%よりもかなり高くなっています(2012年、『就業構造基本調査』)。図3は、先ほど出した25~34歳の「女性/男性」比率と、同年齢の男性の既婚率の相関図です。

男性あたりの女性数が多い県ほど、男性の既婚率が高い傾向がみられます。相関係数は+0.4576で、1%水準で有意です(既婚率が低い東京を外れ値として除くと、相関係数は+0.5000となります)。データでみると、やっぱりこうなのですね。郷里の「隠れた」魅力に気付かされた思いです。

ちなみに市区町村レベルでみると、結婚期の「女性/男性」比率がもっと高いケースが出てきます。奈良県の川上村では、25~34歳の男性100人に対し、同年齢の女性は158人です(2015年1月1日時点)。同県の曽爾村は142人。スゴイですねえ。

これらは過疎が進んだ地域ですが、都市部でも似たようなケースはあります。たとえば福岡市中央区は127人、京都市下京区は120人、郷里の県庁所在地の鹿児島市は114人です。地方への人口移動を促すに際しては、こういう情報も公開するといいのではないでしょうか。

丹念に統計を分析してみると、地方の魅力を知ることができる材料が数多く出てきます。非正規から正規への移動チャンス、アラフォー以降の結婚チャンスが最も開けた県はどこか、若者の起業率が最も高い県はどこか……。こういうことをご存知の方は少ないと思いますが、ランキング表をみると、「えっ そうなの?」と驚かされますよ。

政府が目指している「地方創生」を実現するには、白々しいPRだけでなく、この手のデータを世に知らしめることが重要と考えます。回を改めて、それをすることにいたしましょう。今回の記事は、その第一弾です。

(図版=舞田敏彦)
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