いま求められるのは「流出を前提とした情報管理」?

このように、もはや大規模情報漏えいに対して個人で対抗することはほとんどできないと言っていいだろう。セキュリティへ投資している大企業でも、大きな情報漏えい事故を起こしてしまう。セキュリティベンダーが作るソフトウェアでも、脆弱性は発見される。セキュリティに完ぺきを求めることは、そもそも不可能なのだ。

だからといってあきらめてはいけない。個人も企業も、できる限りのことをすべきだ。そうしていないと、万が一のときに「世の中はそういうものです」と切られてしまう。そうならないように、個人も企業も目を光らせ、いかにリスクを減らしていくかという良い方向にスパイラルを回して行かなくてはならない。

私たちに今できること、それは「流出することを前提とした情報管理」だろう。特にパスワードの使い回しをやめることは、この記事を読み終わった直後にもできること。できる範囲で構わない。もしこの記事を読んでほんのちょっとでも「気をつけよう、できることから始めよう」と思っていただければ幸いだ。

宮田健(みやた・たけし)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。書籍「デジタルの作法~1億総スマホ時代のセキュリティ講座」も角川EPUB選書から発売中。エンターテイメント分野では広義の“ディズニー”を追いかけるニュースサイト「dpost.jp」(https://dpost.jp/)を運営する。
【関連記事】
マイナンバーを人に教えると、プライバシーはどこまでバレる?
【保存版】マイナンバーはどれくらい危険なのか? 11の疑問を“中の人”が徹底解説
ベネッセの情報管理「プライバシーマークが太鼓判!」
フェイスブックで知らない人を友達承認の危険
年金個人情報流出「ワルはこう仕掛けてくる!」