第一原発の現場で起こった変化とは

フロアは午前の作業を終えた人で溢れ返る。日替わりのメニューは全5種類、一律380円。行列に並び食事が配膳されると、テーブルに運ぶ。1人で、複数で、それぞれ思い思いに昼食の時間を過ごす――。
昨年5月15日、福島第一原発構内に、食堂を備えた大型休憩所が完成した。温かい食事を提供するため、大型休憩所から9キロメートル地点に「福島給食センター」も開設。原発作業の現場が変わりはじめた。
この福島の地に2013年1月1日に設立されたのが、東京電力福島復興本社だ。同社代表で東京電力ホールディングス副社長の石崎芳行氏に話を聞いた。

※対談は東京電力ホールディングス分社化前、2016年3月末日に実施

東京電力ホールディングス 副社長/福島復興本社代表 石崎芳行(いしざき・よしゆき)
1953年、東京都出身。慶應義塾大学法学部卒業。77年東京電力入社。2001年広報部に配属。04年広報部長に就任。07年6月から10年6月まで福島第二原発の所長を務める。12年11月代表執行役副社長に就任。13年1月1日福島復興本社の代表に。

【弘兼】以前私が第一原発を訪れた14年の8月当時と比べ、様変わりしましたね。大型休憩所と給食センターができ、職場らしくなりました。