本気ビジネスパーソンの体感効果は?

第4回ではMaster of Business English Academy(通称MBA)を例に挙げ、社会人特化型のセブ留学について紹介した。漠然と英語を伸ばしたいというだけの理由ではなく、必要に迫られ、個々にとって本当に必要な箇所から英語を伸ばしていきたいという人にとって最適な環境があった。

セブ留学の新潮流の価格とは? MBAに4週間1人部屋に滞在した場合、2230ドル(2016年4月時点110円換算で245300円)。これまでの激安校とは違うが、コストパフォーマンスは依然としていい。

第5回では、英語習得の必要性に直面している3名のビジネスパーソンに、今感じていることや成果について語ってもらう。それぞれがここに来た理由、感じた効果、それからセブ留学の未整備な部分にも触れる。

「これまでは単語で話すだけだったけれど、論理的に文を繋いで話せるようになったと思っています。事前に準備をしなくても、普段日本語でしている会話に近いことが言えるようになってきたと思えます」

樋口雄飛さんは、インタビューをさせてもらった時点でMBA滞在6週間を終えたところだった。転職の合間を活かし、比較的長めに時間をつくった。すでに決まっている次の転職先にて、英語力があればその先のステップが有利になりそうだと見据え、セブ留学に来たという。留学効果を最大化しようと、セブへ来る前に単語、文法のテキストを1冊ずつ終わらせてきたというストイックさも見せる。

「受験勉強などを除いて、特に英会話を学んだことがありませんでしたが、ここでの授業を受けてみて、論理的にフルセンテンスで話せるようになったと思っています」

このように効果を実感している一方で、学校選びに関してはこうも語る。

周囲から日に日に伸びていくと恐れられていた樋口さん。まさにこの記事が出る日には、留学を終え、出張先で学んだことをベースに奮闘している。

「MBAに決めた理由は口コミです。友人が体験したところしか信用できなかった」

その理由は、語学学校の公式サイトを見ても、どこも皆同じことが書いてあって、エージェントに推薦を聞いても、(僕が担当した人は)期待していたよりもまったく専門性がなく、自分が持っている以上の情報を得ることができなかった」

この意見を聞きながら大きく頷いてしまった。実はこれはセブ留学へ行く際の問題のひとつで、自分にあう学校を探すのが難しい。というのも欧米留学に比べて、セブ留学は学習システムに特徴があるところが多く、それ自体は喜ばしいことなのだが、その「特徴」や「個性」を事前に知る方法が多くないのだ。

もちろん一部の優秀なエージェントは実際に学校を体験している人が在籍しているなど、素晴らしいアドバイスをくれる。だが残念ながらそうしたところばかりではなく、また公式サイトに関しても、樋口さんの意見に同意で、それぞれで努力はしているが、初めてセブ留学の情報を集める立場からすると「書いてあることがほぼ同じ」と感じてしまうことが多い。

これはコンテンツを扱う仕事をしているものとして、歯がゆく思うところであり、必要な人が適切な学校を選ぶことができるようになる情報やツールを提供していきたいと考えている。実はこの記事を見てセブ島で語学学校を運営しているいくつかの会社から「うちもビジネスイングリッシュに自信があるので体験に来てほしい」という連絡をすでにいくつか受け取った。今後も取材を続け、情報発信を続けていきたい。