「タガメ」との不適切な関係で資産はパー

また、僕自身は「女人はタガメ」という認知的再評価もしています。タガメは、鋭いクチバシを獲物(カエルやメダカなど)に挿し、身体を溶かして養分を吸い取ります。捕まったら最後、骨と皮にされるちょっと怖い存在というイメージを持つようにしています。

なぜ、僕が今回この「性欲に勝てない」読者の質問を取り上げたかというと、最近何かと世間を騒がす「不適切な関係」が露呈することは、資産形成にとって「壊滅的な打撃」を与えるだけでなく、それまで長期間かかって築いてきたキャリアを「一瞬で崩壊させるだけのパワー」があるからです。

また、富裕層になった後でも一瞬でも欲望や誘惑に負けてしまえば人生は水泡に帰すことさえあります。質素倹約、勤倹と比べても、この「不適切な関係を避ける」ということは人によっては格段に難しいテーマになるかもしれません。そうしたニュースは枚挙にいとまがありません。

以前、ある有名な大学教授が逮捕されたのは、そのいい例でしょう。

駅エスカレーターで女子高生のスカート内を手鏡で覗こうとした疑いで現行犯逮捕。その後、社会復帰したものの、電車内で痴漢行為をしたことで再び御用となり、本職の大学教授という肩書だけでなく、「テレビコメンテーター」などの副業もすべて失いました。

また、今年の3月下旬には、元聖職者(小学校教諭)で次回参院選に出馬すると目されていた人物が5人の女性との不適切な関係が発覚したことで社会的信頼を喪失し、家庭崩壊の危機に陥っています。

今年の始まりにも、極めて好感度の高い女性タレントがやはり不適切な関係によって、契約していた全CMが打ち切られ、出演していたテレビ番組は降板となりました。

世の中には書き出したらキリがないほど「自制心の欠如」が見られます。

短期的な欲望・衝動が、長期的かつ壊滅的なダメージを与えるというのは、喫煙と肺がんの関係、アルコールと肝硬変の関係と変わりません。

マシュマロ実験をしたウォルター・ミシェルは次のような結論を出しています。

「人格はどのような状況でも一貫して変わらない(通状況的一貫性)」わけではなく、「ある状況での人々の振る舞い(ビジネスなどに自制心を働かせて成果を残す、など)と、別の状況での振舞い(自制心を失って「不適切な関係」に陥る、など)は相関度合いがゼロではないにしても、非常に低い」

つまりある分野で優れた自制心を発揮するように見える人間でも、別の分野(例えば、性欲)では自制心を失いやすいかもしれず、そうなった場合には信用や肩書、資産など、それまでせっせと積み上げて構築したものが、あっという間に消えてしまう。そんなリスクが日常生活のあちこちに潜んでいるという認識が、富裕層を目指す人にも、そして富裕層になった人にも大切ということかと思います。

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