捜査機関と協力して徹底解明を
1月、ある巨人軍のOBは、昨秋の事件発覚に触れて、こうメディアに苦言を呈した。「巨人の3人に責任をとらせて、ぽんとふたを閉めているような状況になってしまっている。もっと厳しく、メディアに批判してもらいたかったですね」と。
事は野球賭博問題だけではない。元プロ野球選手の清原和博容疑者の覚醒剤取締法違反容疑もある。なぜ巨人絡みの選手が多いのかという疑問も浮かぶ。人気チームゆえ、他球団より多くの誘惑の手が伸びてきやすいのだろう。あるいは、メディアの扱いが大きくなる人気球団の選手に絞って、週刊誌にネタが持ち込まれるのかもしれない。
再発防止策としては、ふだんの研修会や教育活動などで選手の自覚を促すのもひとつだろう。ただ「一罰百戒」もやむをえまい。NPBは今回の件に関して、選手だけでなく、監督責任があったとして、巨人にも昨年より重いペナルティーを与えるべきである。
問題は、他球団を含め、野球賭博に関与した選手が他にいないかどうか。敗退行為はなかったのかどうか、である。
もうじき開幕だからと幕引きを急ぐのではなく、NPBは警察と協力し、時間をかけてでも徹底解明を図るべきである。もう捜査機関の手に委ねるしかあるまい。熊崎勝彦コミッショナーは元・最高検察庁公安部長。本気になれば、うみを出し切ることができるはずである。