女性のネイルを褒めるおじさんがモテる?

──これからはおじさんにも「女子力」が必要になる。顔のよさや高年収ではなく、癒やす力と気配りが大切。

近年は格差社会を背景に、競争より和を重んじ、コミュニティを重視する思考が広まりました。そこでは好かれるよりも「嫌われない」ことが重要視されます。ブランド香水の匂いがきついのはNG、石鹸やシャンプーで加齢臭対策をする「デオドラントおじさん」が好かれます。

顔のよさや年収や男性性を誇示してもモテません。料理など家事力の高さはむろんのこと、流行を女子の目線でチェックしていたり、気配りができる男性が支持を集めています。

例えば、ネイルアートに時間や労力をかける女性は多く、それは彼女たちの努力の証しであり誇りです。だから「そのネイル、クリスマス仕様だね」などと言葉をかけるのは、些細なことでも仕事での功績を見出して褒めるのと同じで、女性が自分の努力を認めてもらえたと感じることができる重要なポイントです。

職場では従来は男性上司の受けがいい男性が出世しましたが、これからは女性の評価が高い男性が認められやすくなるでしょう。細かい気配りで相手を尊重する。おじさんにも「女子力」が不可欠な時代なのです。

牛窪 恵(うしくぼ・めぐみ)
1968年生まれ。日大芸術学部映画学科卒業後、大手出版社勤務。フリーとなり、2001年にマーケティング会社・インフィニティを設立。「おひとりさま」「草食系男子」などを世に広める。著書、テレビ出演多数。