釜石シーウェイブスの昇格なるか
まちの盛り上げでいえば、地元の釜石高校が春の選抜高校野球大会に「21世紀枠」で出場することになった。さらに今年は「希望郷いわて国体」のラグビー競技(7人制)の成年男子、女子が釜石市の釜石球技場(松倉グラウンド)で開催される。
どうしたって、釜石市のラグビー熱は高まっていくだろう。ここで、新日鉄釜石ラグビー部の流れを汲むトップイーストの釜石シーウェイブス(SW)がトップリーグに昇格すれば、劇的にW杯機運が変わる。
増田さんは言う。
「究極の目標は、もう1回、日本のチャンピオンフラッグを釜石に持ってくることです。そのためにはまず、釜石の人々がどうラグビーやワールドカップに関わっていくのか。他人事ではなく、自分の事として考えられるかどうか、釜石のラグビーのエネルギーをどう高めていけるかが大事だと思います」
W杯開幕まで3年半。ラグビーW杯をどう釜石のまちづくりに生かすのか。ポイントは「自分ごと」と「レガシー(遺産)」か。ラグビーのまちのチャレンジが続くのである。
松瀬 学(まつせ・まなぶ)●ノンフィクションライター。1960年、長崎県生まれ。早稲田大学ではラグビー部に所属。83年、同大卒業後、共同通信社に入社。運動部記者として、プロ野球、大相撲、オリンピックなどの取材を担当。96年から4年間はニューヨーク勤務。02年に同社退社後、ノンフィクション作家に。日本文藝家協会会員。著書に『汚れた金メダル』(文藝春秋)、『なぜ東京五輪招致は成功したのか?』(扶桑社新書)、『一流コーチのコトバ』(プレジデント社)、『新・スクラム』(東邦出版)など多数。2015年4月より、早稲田大学大学院修士課程に在学中。