1月は新年会など家族、親戚や友人たちと一緒に飲んだり食べたりする機会が多い季節。気づいたら、2~3キロ体重が増えていたという人も少なくないに違いない。そんな典型的な正月太りや新年会太りをいますぐ解消する方法を紹介しよう。

緩やかな糖質制限食「ロカボ」

1つ目は、緩やかな糖質制限食「ロカボ」だ。

「正月の会食や新年会での暴飲暴食で太ってしまった人、血糖値が高めの人には特にお勧めです」

そう強調するのは、『糖質制限の真実 日本人を救う革命的食事法ロカボのすべて』(幻冬舎新書)の著者で、北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟さん。

ロカボとは、ごはん、パン、麺類、いも類、大豆以外の豆類、お菓子、果物などに含まれる糖質を1日70~130グラムに抑える食事法だ。糖質をある程度制限する以外は、肉類、魚類、大豆食品などのたんぱく質や脂肪はいくら食べてもよく、食事の総カロリーを制限する必要はない。一時期流行した炭水化物をまったくとらない極端な糖質制限食(ローカーボ)とは別モノで、そういった従来の食事療法と区別する意味で、山田さんは「ロカボ」を提唱している。

正月、そして新年会が続くこの季節は、餅、黒豆、栗きんとん、日本酒、ビール、菓子類と、たくさん糖質を食べたり飲んだりしてしまいがちだ。「ロカボを始めれば、基礎代謝も上がってやせやすくなり肥満の人は体重が落ちます。しかも、カロリー制限によるダイエットとは違って、筋力が落ちたり骨粗しょう症になったりする危険はありません」。そう話す山田さん自身、ロカボを実践したことで、医師になって忙しくするうちに72キログラムまで増えた体重が2~3カ月で63キログラムまで減ってスリムになった。肥満度が高い人ほどダイエット効果は現れやすい。

北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟さん。

ロカボでは、1回20~40グラムの糖質を3食、さらに糖質10グラムの間食をとってもOK。1食40グラムの糖質とは、おかずに加えて白飯(胚芽米や玄米でも同じ)なら70グラムで一般的な茶碗に軽く半杯、6枚切の食パン1枚程度という量だ。

「外食の多いビジネスパーソンの場合、一般的な定食ならごはんを普通の茶碗の半杯程度に減らせば、おかずは生姜焼き、焼き肉、素揚げ、炒め物でも普通に食べて大丈夫です。ダイエットのためにはまず油を控えるべきだと信じている人は多いのですが、魚の油、植物性の油の摂取量が多い人ほど心臓病、脳卒中の発症が抑えられることが分かってきています。また、動物性の脂質を避けて植物性の油に変えたらかえって心臓病が増えたとの報告があり、油の摂取は控えなくていいというのが世界的な潮流です。ロカボは、たんぱく質や脂質をたくさんとる食事法なので、体重が減ってもげっそりしたり老けて見えたりする心配もないのが特徴です」(山田さん)

最近では、糖質カットのパンや麺類、酒類も出ているので、そういったものをうまく利用すれば、まったく我慢することなく正月・新年会太りが解消できそうだ。