【田原】無料にしたら、メタップスは儲かりませんよね?

【佐藤】売り上げの少ないところは無料にするかわりに、月100万円以上の決済があるお客様からは手数料をいただきます。一部の20%の大きな企業が全体の80%の取引を占めるという「パレートの法則」があるように、儲かっているお客様からいただけば、小さなところから取らなくても十分に成り立ちます。実際、100万円以上のお客様はアカウントで全体の20%を切っています。

【田原】なるほど。その仕組みだと、小さなお店がスパイクを使うのはよくわかります。でも、大きなお店にメリットはあるんですか。

【佐藤】手数料はいただきますが、それでも最安値に設定します。それと決済の先が大きい。私たちはもともとアプリのマーケティングで大きくなった会社です。だから、さらに集客をしたいとか、顧客の客単価を上げたいというときに適切なコンサルティングができる。儲かっているお客様にも、そこを期待していただければいいなと。

【田原】実際に反応はどうですか。

【佐藤】とくに営業活動はしていないのですが、やはり安くて、ネット上で申し込めばすぐ使えるということでいまどんどん加盟店が増えています。すでに10万店舗は突破しています。楽天市場の出店数が4万店舗ぐらいですから、なかなかいい数字ではないでしょうか。

田原総一朗
1934年、滋賀県生まれ。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所入社。東京12チャンネル(現テレビ東京)を経て、77年よりフリーのジャーナリストに。若手起業家との対談を収録した『起業のリアル』(小社刊)ほか、『日本の戦争』など著書多数。
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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