ソニー、コマツ、DeNA……次々に有力企業との提携を進めるZMP。自動運転技術で注目される同社を率いるのが、谷口恒社長だ。東京五輪までに無人のタクシーを走らせる――目標実現の算段はいかに。
倒産の危機を救った自律移動技術
【田原】ZMPは自動車の自動運転に特化した会社かと思いましたが、最初は二足歩行ロボットをビジネスにしていたそうですね。どうして二足歩行ロボットを?

【谷口】私はもともとインターネット事業で起業していました。ただ、ネットはアメリカの技術をいち早く日本に持ってきたところが勝ちなので、正直いってあまり面白くなかった。日本ならではの事業がしたいなと考えていたところ、二足歩行ロボットの研究をしている文部科学省の知人から、技術移転を受けてベンチャーをやらないかという話をいただきました。当時はホンダの「ASIMO」、ソニーの「AIBO」が出たころ。この分野なら日本企業でも存在感を出せると思い、国と契約して新たに会社を設立しました。ちなみに社名のZMPは、二足歩行ロボットが動くときのゼロモーメントポイント(zero moment point)理論にちなんでつけています。
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