LINEも導入するコンサルツール
【田原】佐藤さんはシンガポールで「メタップス」のサービスをリリースします。これはいったい何ですか。
【佐藤】スマートフォンアプリの収益化プラットフォームです。当時、アプリをつくる小さな会社が出始めていましたが、みなさんマネタイズに困っていました。そこでおもしろいアプリをつくれば、お客を集めるところからお金を払ってもらうところまで、面倒くさいところをこちら側でやりますよという仕組みをつくりました。
【田原】アプリ運営会社向けに収益化をコンサルティングするってこと?
【佐藤】それを人工知能を使ったシステムでやりました。うちのシステムを組み込んでもらうと、それだけでお金が落ちてくるようになります。
【田原】それがよくわからない。システムでやるってどういうことですか。
【佐藤】たとえばSDK(Software Development Kit)という仕組みをアプリに組み込んでいただくと、アプリのユーザーがどう動いているのかというデータが私たちのところに送られてきます。それをもとに、どんなユーザーにどんな広告を提供すればいいのかということを人工知能で分析して自動的に振り分けます。
【田原】いわゆるビッグデータで広告を分析するわけですか。
【佐藤】そうですね。世界中でだいたい2億人分の分析をしています。
【田原】これがとてもうまくいったそうですね。お客さんは中小だけじゃなく、たとえばLINEとも一緒に広告の販売をしている。LINEくらい大きな会社だと自分でできそうなものだけど、佐藤さんのところと組むメリットは何だろう?
【佐藤】私たちが世界中で広告主を持っていることが大きいのかも。いま世界に8拠点あって、各拠点は全員現地の外国人。現地の企業と距離が近いので、各地でそれぞれ広告主を抱えています。それが強みですね。